あっという間に一年。
会社を辞めてニュージーランドに行くと行って旅立った友達が、帰ってきた。
もう帰ってきた。
ワーキングホリデーを利用しての留学だったから、一年の予定。
もう一年経ったということだ。
去年の今頃の私も、もう会社を辞めることが決まっていた。
会社を辞めるまでの日のことは、先月のことくらいはっきり覚えているのに、
もう一年経ってしまっているだなんて。
30代の一年なんて「あ」と言っている間に終わるよ、なんて周りのお姉様方にはさんざん言われてきたけれど、本当にそうなりそうだ。
会社を辞めて、働いていなかった時期なんて今から考えれば2ヶ月くらいなものだった。
特に次のあてがあって辞めたわけじゃなかったし、とりあえず辞めて自分の事を考え直したかったのが一番の理由だった。
結婚して妻という立場になり、ここから母になるかもしれない中で、自分の働き方について考えたかった。
母になってからでも働ける制度は一応会社としては整っていたけれど、個人的にはそれに乗っかりたくはなかった。
会社の優しさでもあるのは分かっているけど、面白い仕事が回ってこなくなるのは明らかだったし、
何も分かっていない上司と子育てをしながら働く方法を考えている先人達を見て、後に続きたいとは思わなかった。
東京の本社と、大阪の支社ではずいぶん上司の出来も違ってうんざりしていたし、
自分が出来る出来ないは置いておいても、尊敬出来ない上司と毎日をともにするのは苦痛だった。
「このままでは大阪にいる事自体を嫌いになってしまいそう」
自分の大切な人と一緒になる為に来た大阪。
自分の意志でここに来たのに、東京に帰りたいと思っていては、オットにも自分にも失礼だと思った。
そう思ったから、自分で大阪にいる自分を素晴らしいと思いたいと思って、
自分でここを楽しい場所にするしかないと思って、思い切って会社を辞めた。
フリーで生きていけるのか、また会社員になるのかは35歳になるまでに決めようと思って。
まだ35ならどうにでもなれる。
若いうちならケガをしたって治癒も早い。
今じゃないとケガをしにいけない。
そう思って会社を辞めた。
今、自分のする仕事がある。
会社員の時より稼ぐ収入はずいぶん減ったし、
自分の分からないことだらけだし、
未来のことを考えたらとてつもない不安に襲われることもある。
でも、大阪にいることは大好きになれた。
ここに嫁いで本当に良かったと思って、楽しんでいる自分を実感できている。
大阪に嫁いだ時点でこの街は私の街で、ここで楽しく暮らすということは、収入が増えることよりも私にとっては大事なことだった。
だから、心の底から思ってる。
会社を辞めて良かったなって。
去年の今日までがあっという間だったように、
来年の今日までもきっとあっという間だから、
また一年単位の未来予想図を描かなければ。
どうなっていたいのか、その為にどうするのか、また考えなければな。
私にとっての秋は、そういう時期だな。