【1ドル50円時代…だと…?】「通貨」を知れば世界が読める by浜矩子
サブタイトルが「1ドル50円時代は何をもたらすのか?」という本なので、
タイトルのまま「1ドル50円時代…だと…?」と思って借りた本です。
みなさん去年の今頃のドル円ていくらだったか覚えてますか?
122円前後だったんです。
それがどう?
1年後の今日現在、106円です。
もちろんひと昔前に100円切っていた時代を知ってるひとからすると、
それでも高い気がしちゃうのはわかるけど、それでも1年で16円違うわけですから
そんなに変わるもん?っていうのが個人的な感想。
でもそれが1ドル50円になるかもよっていうんだから、
浜先生は何をお考えなのかと思って読んでみました。
お金の勉強をするようになってから初めて知りましたけど、
「世界の基軸通貨はドルじゃない時代もあったのよ」っていうのを聞いて、私は結構驚きました。
え、マジなの?って本気で思ったほど、生まれた頃からドルが基軸通貨時代に生きている私には、
そんなこと考えたこともなかったってわけ。
そこから「そもそもお金とはなんぞ」とか、「お金の歴史」についての本を読み漁ることで
「ははーん、基軸通貨になれるってことは、その国が今世界で一番の力があるってことか」
という解釈でいました。
(浜先生的には「その国にとっていいことが、世界中にとっていいことであるという関係が成り立っている国の通貨」だそうです)
過去にはイギリス最強時代があったわけなので、その時の基軸通貨はポンド。
でも永遠に最強ってことは人にもないように、
時代の流れとともにアメリカのドルへ移っていって、今です。
本の感想を端的に申し上げますと、
私くらいの勉強度では理解しきれないわ
ということ。
最終章の方では、「いずれ基軸通貨なんてなくなって、地域通貨をいっぱい持つ時代が来る」とありましたが、
正直なところ、
いやいやそれはいくらなんでも想像がぶっ飛びすぎじゃない?
という感じでした。
浜先生も「「まさか」は「まさか」じゃないことも起きる」とおっしゃっていましたので、
もちろんそういう時代も来るかもしれません。
でも2011年に発刊された本を2016年に読んでも、まだノストラダムスの予言並みに
真実味がないというか、未来的すぎてびっくりするという感じでした。
とはいえ、やはりところどころ共感できることはあるわけです。
アメリカも以前のような強気な感じはないわけだし、
日本もアジア進出グイグイの時代から考えるとずいぶん弱気な感じがすること、
中国だって「あれ?バブル弾けたんじゃない?」ってくらい、
街に溢れかえるようにいた人の数がちょっと減った気がします。
ギリシャもデフォルトしちゃって、ユーロもちょっと大きくなりすぎた感もあるし、
イギリスもユーロを出ようかしらなんておっしゃっている。
私は生まれて30年ちょっとの人生ですけど、これまで何となく感じていた
「世界のリーダーはアメリカだー!」みたいなのも、感じにくくなってきました。
お金の歴史の本を読んでも、いつだって世界のリーダーはいたのに、
ここ10年くらいの間になんだかそれも薄まっている感じ。
そう考えると、浜先生のおっしゃっていることも合っているのかもしれないですよねえ。
世界は毎日動いていて、毎日歴史の1ページを刻んでいるんだわ、と感じます。
お金を切り口に読む歴史の本って、面白いわあ。