エリクソンタイムズ

フリーランスマネージャーとして大阪と東京を行ったり来たりするエリクソンが、読書ログとお金の話、英語、自分の仕事、自分の事について考えたことをまとめています。面白そうなことには全力投球。読書のジャンルは経済、お金、金融が多めです。

フリーランスになって私は本当に幸せになったのかどうかという件

twitterにたまたま良い記事が流れてきたので、シェアをしつつ、

フリーランスになって私は本当に幸せになったかどうか」という、

書いてみたい書いてみたいと思っていた内容を今日は書いてみます。

 

安藤美冬さんや村上萌さんがメディアに出はじめた2013年くらいから、

フリーランスかっこいい!」「ノマド最高!」のような記事などが出るようになって

世間的にフリーランスを夢見る人が増えたように思います。

最近では「雇われない生き方!」「起業!」なんていう事も高らかと言われるようになり、

すでに起業している人たちがそれでセミナーをやったり、ブログを書いたりして…という

流れを目にしやすくなりました。

 

2013年当時は私はまだ東京にいて、広告代理店に勤めながら多くのフリーランスライター、

エディター、ヘアメイクなどとお付き合いをする機会がありました。

実はモデルも、事務所に所属していてもフリーランスの方々です。

前述をした通り、世間は「フリーランスとしての生き方最高!」が流行中。

私も例に漏れず「フリーランスっていいな、かっこいいな」と思っていました。

でもその反面で実際フリーランスで働く皆さんを身近に感じて、

しかも色々とお話をしてくださる皆さんと一緒にいられたおかげで、

「フリーはフリーなりの苦労がある」ということも自然と知れる環境にいたのです。

当時の私にはフリーで仕事をもらえるほどの能力があるとも思っていなかったし、

会社にも恵まれて楽しく仕事をしていましたので、

いいな、かっこいいなと思いつつも、現実的に行動に移そうという気持ちはほぼない状態でした。

でもそんな私が、結婚を機に大阪に移り、色々思うこともあったので会社を辞めて、

今はフリーランスの一端にいます。

そんな私が、1年半フリーランスとしてお仕事をいただく上で考えたこと、

感じたことをご紹介したいと思います。

 

1:私のフリーランスとしての始まり

正直なところ、私のフリーランスとしての始まりは、ラッキーだったとしか言いようがありませんでした。

会社を辞めるときに「フリーになれたらな」という思いはあっても、

何でお金を稼いだらいいのかもわからないくらい、私はとりあえず会社を辞めただけ。

でもそれでも、結婚している私には「専業主婦」という肩書きだけはあるなと思って、

社会で疲れた羽を休める程度にフラフラしていた時期に、

今マネジメントをさせてもらっているヘアメイクから声がかかります。

自分だけでは仕事がいっぱいになってしまったので手伝ってくれない?と。

私は広告代理店としての経験こそありましたが、マネージャーの経験はゼロ。

しかも私は大阪に住んでいて、彼女は東京で活動しています。

そんなんでもいいのですか?と聞いたところ、それでも大丈夫と言ってくれたところからが始まりでした。

ヘアメイクだから撮影に立ち会ってもらう必要はないが、

多方面からの問い合わせや準備、事務作業に時間を取られてしまっている。

ヘアメイクとしての仕事をもっと集中してやりたいのだと。

確かにそれは、過去に私が代理店の人間としてフリーの人たちと関わる中で

私がやってみたい、助けてあげたいと思っていたことでもあったのと、

代理店時代のノウハウも活かせるなと思ったので、本当にバイトくらいの気持ちでスタート。

ダメだったらやめればいいという気持ちでした。

 

2:フリーランスとして始まってみたら…

自分がフリーランスとして始まってみたらどうだったかというよりは、

最初は、彼女のフリーランスとしての姿を見ることで色々感じることになります。

 

■仕事の一つ一つで多くを判断しないといけないこと

■自分に求められているものが何なのかを見極めてパフォーマンスすること

■土日関係なくやってくる問い合わせにすぐ対応をすること

■自分自身を常に磨いていかなくてはいけないこと

■常に自分がどうあるべきか考えること

 

会社員の時、私は自分の仕事にここまで考えていたことがなかったなとすぐ気付きます。

会社員ならば黙っていても仕事がやってくることだってあるし、

とにかく固定給はもらえる。

そして簡単に解雇もされないし、頑張っていればとりあえずお給料が上がる可能性は感じられます。

でもフリーランスになったらそんなの関係ないのです。

自分で自分の値付けをして、もっとたくさんお金をもらいたいなら、

どんどんスキルを磨かなくてはいけないし、しかもそれもすぐに反映されません。

評価する人がいなければ、どれだけスキルを磨いても何にもならないわけです。

そして何より、平日とか土日とか関係なくなります。

やることがあれば平日でも土日でも働くので、仕事とプライベートの境がほぼなくなります。

いつでも問い合わせは入ってくるし、それを逃しては仕事を逃すことになるかもしれない。

そういう毎日なわけです。

そして、やることがなければ休みにはなりますが、「休んでいる=お金は稼いでない」ということなので

そんな日々が多ければ多いほど、当然収入が減ります。

 

フリーランスになるとは、マグロのように常に泳ぎ続けるということだ

 

と率直に感じました。

フリーランスいいよー、素敵だよー」なんてよくも簡単に言ったもんだな!と

ちょっと腹が立ったくらいです。

フリーランス、めちゃくちゃ過酷じゃないか!と。

これは起業するということでも同じこと。

会社員としての生活に慣れまくってしまっている人は、まずここでガツンとやられると思います。

こういうことになることを想定してフリーになる人がどれほどいるのか知らないですが、

多くの人はこういうことになると思っていないと思います。

好きな仕事で、自分で裁量を決めて生きる。

これ、全然簡単なことではありません。めっちゃくちゃ難しいことです。

フリーランスです、起業しましたと言うのは簡単。

走り始めてから軌道に乗せるまでが予想以上に辛いのが、フリーランス、起業だと思います。

 

3:フリーランスで…と伝えるのが恥ずかしい

形上は会社に属していない働き方になったので、一端にもフリーランスになっているとは思いますが、

個人的には今でも「フリーでお仕事を頂いています」というには、少し恥ずかしいというか

おこがましいという気持ちがあります。

特に1年目はそうでした。

「フリー=なんだかかっこいい」という認識がある世間の中で、

私は決してそんなかっこいいものにもなっていないし、

むしろ毎日が必死で、とりあえず目の前のことを一生懸命やるしかなかっただけなので、

なんの余裕もなかったからです。

 

1年目は仕事に慣れることも大変だったけど、

それより大変だったのは自分の中の不安との戦いでした。

 

私の仕事とはこういう感じでいいのか

このままずっとやっていけるのか

もっともっと自分を磨かないといけないのに時間がない

もっと自分を営業したほうがいいんじゃないか

でも今は一緒にやらせてもらっている人とのことで120%やるべきではないか

 

そんなことばかり考えている毎日。

1年目どころかこれらに関しては今だって毎日思います。

でも、今あるものを大切にして、それを一生懸命やるしか道も開けないだろうという気持ちと、

会社員の時も最初の1年は慣れるのだけでも苦しかったし、花が咲いたのは1年半以降だったし…と

過去の自分の経験から自分を自分で落ち着かせていくしかないわけです。

ブログを書きたいなと思っていてもなかなか毎日書けないのも、

正直なところ「ブログ書いている暇あったら他にもっとやれることあるだろう」という気持ちが大きいから。

フリーになると当然ですが時間の配分も全て自分です。

 

注意をしてくれる上司もいない、

毎日の私を見ている人がいるわけではないので相談する人もいない、

辛くなった時、はけ口として同じグチで発散してくれる仲間もいない、

自分が成長しているのかどうか評価もできない、

 

こう思うと、会社員であった時の自分はどれだけ幸せだったのかと何度も思いました。

会社員には会社員なりの幸せが充分あって、

私は会社員であることにも充分幸せと、楽しみを感じていたんだなと知ったのです。

私にとって会社は、社会に出てからは家よりも家族のようでした。

多くの人に囲まれて、本当に多くの経験をさせてもらい、成長させてくれて、

そして何より、何にもできなかった私を一人前にしてくれたこと、

そんな私にもお給料を払ってくれていたことを本当に感謝しました。

 

4:それでも私はフリーでもっと生きていきたい

毎日色々悩んではいますが、やっぱり私は今の仕事で、もっと広げていきたいのです。

元々私がフリーランスアーティストやライターのためのマネージャーをやりたいと思ったのは、

先にも挙げた自分の不安をきっと同じように抱えているであろう人の支えになりたいと思ったから。

フリーランスは、フリーランスゆえに孤独です。

毎日一人で戦って、悩んでいます。

そういう人たちの心の支えになりたいと、強く強く思っています。

一緒に悩んで、一緒に答えを出して、次の一歩を踏み出す。

そういう毎日を、私がいることで「一人で決めたんじゃない」と思って欲しいという気持ちなのです。

 

私もフリーになったからこそわかる気持ちがあると、今は自信があります。

だからもっともっとそんな気持ちで悩んでいるフリーのアーティストの支えになりたい。

そんな気持ちです。

 

5:それで、私はフリーランスになって本当に幸せなの?

私は今のところは会社を辞めた事も後悔していないし、これで良かったと思っています。

ただ、はっきり申し上げると、今本当に幸せかというと、まだまだという気持ちです。

自分で自分の悩みもたくさん抱えているし、今後の不安もある。

まだフリーとして2年目なので、まだまだずっと悩むことになると思います。

今抱えている悩みに多少なりとも答えを出せたり、自分に自信を持てるようになった時、

もっと幸せを感じられるのではないかと思っています。

 

フリーになって幸せかという問いに対しては、自分がフリーになったからこそわかりますが、

すごくすごくその人次第なんだと思います。

会社員だって十分幸せな働き方だって、私は今は心から思っているんです。

明日の心配どころか、来年だってきっとあるであろう職場があって、

お給料がもらえるって本当にありがたいことです。

フリーになったら、起業をしたらそういうのがなくなることを、

もっともっと意識をした方がいいと思いますし、

プライベートとの境がなくなるのも、会社員をしていた身からすると結構辛いことです。

でもそうしてでも、いつか芽が出るように、花が咲くように頑張れるのかどうか。

そういう毎日をフリーも、起業家も過ごしていることをもっと知られていいのではないかなと思います。

 

そして、自分のためにも残しておきたいと思った記事がこれです。

innova-jp.com

 

エンジニア向けの記事ではあるものの、フリーや起業を目指す人も一度は読んだ方がいい記事だと思います。

やっぱりみんな同じなのか、と私はちょっと安心した記事でした。

 

隣の芝はいつだって青く見える。

私の芝も、私にとってはそんなに青くなくても、誰かには青く見えているんです。

きっと世界はそんなことだらけ。

でもそれでも自分の信じる道があるなら、歩き続けないといけないですね。